パスを通す

これでばっちりRubyを実行する環境ができました!……という具合には残念ながら行きません。

cd \

と入力して、Cドライブの直下に移動してみます。
そこで今度は

ruby --version

と入力してRubyインタプリタのバージョンを表示……できません。
これは何故かというと、カレントディレクトリにruby.exeがないため、rubyと入力しても実行対象(ruby.exe)を探し出せないのが原因です。
試しに次のような入力だとうまくいきます。

"C:\Program Files\ruby-1.8\bin\ruby" --version

ちなみに""(ダブルクォーテーション:二重引用符)で囲んでいるのは、『Program Files』の部分にブランクがあるからです。
この書き方だと、ruby.exeの位置を絶対パスによって特定しているために問題が起こらないのですが、だからといってRubyのプログラムを起動するためにいちいちこんな長い入力をするのは鬱陶しくてお断りです。
そこで、どのディレクトリに居てもruby.exeが探し出せるように、“パスを通す”という作業を行います。
ここでいうパスとは、コマンド(というか実行ファイルとか)入力時にその対象となるファイルを探しに行く候補地、というような感じです。
そしてパスを通すというのは、その候補地を新たに追加する作業の事を指します。(パスを切る、とか別の言い回しも色々あるそうですが)
まずは次のコマンドを入力してみます。

echo %PATH%

echoは画面にメッセージを表示するコマンドでした。ここで表示している『PATH』とは、ファイルを探しに行く候補地が格納されている環境変数というものの一種です。
ですので、今表示されたものが現在既に登録されている候補地の一覧、となります。
これはechoコマンドを使わずに

path

とするだけでも表示可能です。
続いて、この環境変数PATHに新たにruby.exeのためのデータを追加したいと思います。
環境変数にデータを設定するときにはSETコマンドを利用します。

SET PATH=%PATH%;C:\Program Files\ruby-1.8\bin;

これによって環境変数PATHが、『今までのPATHの中身+;(セミコロン)+C:\Program Files\ruby-1.8\bin;』で上書きされます。
……が、このような環境変数の上書きは、誤った操作をすると思わぬ影響を及ぼす可能性もあるとかないとか。
慎重に行わないと恐ろしいです。
もう一度echoなどを使ってPATHの中身をちゃんと確認したりする必要があるでしょう。
この操作が成功していれば、

ruby --version

のような入力が正しく処理されるはずです。
これはこれで問題ありません。がしかし、このやり方ではコンピュータが再起動されると環境変数の内容がリセットされてしまいます。結果、起動するたびにSET PATH=〜を行わなければいけなくなります。
頻繁に使うプログラムの場合、このような作業は面倒ですので、リセットされない方法で環境変数を設定します。

  1. まず、スタートメニューやデスクトップなどで、マイコンピュータのアイコンを右クリック
  2. 表示されたコンテキストメニューから、[プロパティ]を選択
  3. [詳細設定]タブを選択
  4. [環境変数]ボタンを押下
  5. PATHという変数が存在していれば、選択して[編集]ボタンを押下。なければ[新規]ボタンを押下
  6. 『C:\Program Files\ruby-1.8\bin』を追加(または新規記述)する。なお、パスは;(セミコロン)を区切りとするので、追加時にC:\の前に;がなければ、それも合わせて記述する

このように設定したのち、再起動を行えば(うまくいっていれば)パスが通っているはずです。


これでRubyのプログラムを動かす環境は取り敢えず準備できました。次回(明後日くらい)はプログラムを書く(コーディングする)環境を作りたいと思います。